第726号【特別】(12月20日)「東京をひとりひとりが輝く都市にしたい~12月16日会見録~」

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2012年12月20日発行 第0726号 特別
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■■■    日本国の研究           
■■■    不安との訣別/再生のカルテ
■■■                       編集長 猪瀬直樹
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434万票の民意を得て、東京都知事に就任しました。

東京は日本の心臓部。東京の鼓動が日本全体に血液として行き渡り、この国
を支えています。史上最多の得票は「国は何もやってくれない、東京だったら
何とかしてくれる」という期待のあらわれだと思っています。

僕はブレずに、やりかけた改革をさらに進め、東京から国を変えていきます。


猪瀬直樹

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「オリンピック招致」、「災後社会のネットワークづくり」など、
東京都のマネジメントに絡む出来事をネタに、問題解決力を磨く考え方、
行動の仕方、強いメンタルの保ち方などをわかりやすく説く!

「その日までが勝負」と「その日のみの勝負」
改革とは具体的な数字を示すこと
決断は見切り発車で
ツイッターがつないだ奇跡の絆
日本人に足りない言語技術力

など、世の中の最前線で闘ってきた著者ならではのメッセージが満載。
ヒット作『決断する力』に続く、臨場感あふれるビジネススキル読本


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今週は、12月16日日曜日、20時01分のNHK当確直後に行った会見録をお送
りします。

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「東京をひとりひとりが輝く都市にしたい~12月16日会見録~」

●記者● 初の選挙戦。当選確実となった今のお気持ちは。

〇猪瀬〇 みなさまの声は「早く改革をやれ、スピードアップしろ」という叱咤
激励の声だと思います。従って、万歳三唱はしません。これからやら
なければいけない課題をすでにいま、いくつもやっています。東電改革、電力安
定供給、高齢者ケア付き住まい、やりかけたことをさらにやり、そして東京をひ
とりひとりが輝く都市にしたい、と思っています。

●記者● 選挙戦でどういう点が支持されたと考えるか。

〇猪瀬〇 改革を進めるということはどういうことかというと、東京が日本沈
没を防がなければいけない。東京は日本の心臓です。東京がしっか
りしているかどうか、それによって、全国の、国民全体の元気が出てくる。そ
して、東京から日本を変える。つまり霞が関を含めた縦割りの官僚機構がつく
ったさまざまな規制を、東京がきちんと東京モデルをつくり、そして変えてい
く。

●記者● 猪瀬カラーはどう出していくか。

〇猪瀬〇 副知事5年5カ月で、すでにこれまでも出してきました。小泉構造
改革でも5年5カ月、そういうなかで、何をすればよいのか、僕に
はよくわかっておりますので、やるべきことを必ずやる。ぶれない、というこ
とが一番大事です。

●記者● 2020年五輪招致は。

〇猪瀬〇 2020年の東京オリンピックは、日本がどういう目標を8年後にもつ
かという大きな課題のひとつ。それは単にオリンピックをやるとい
うだけでなく、東日本大震災と東京オリンピック・パラリンピックは不可分で
す。被災した人々、その復興を東京オリンピックとかさねながら、被災地に聖
火ランナーが走り、宮城スタジアムでサッカーをやり、東北を支える。必ず招
致したい。

●記者● 新銀行東京はどうしていくか。

〇猪瀬〇 すでに、750人いた行員は180人に減らし、10店舗を2店舗に
減らした。経営努力によって追加出資した400億円はいま、50
0億円に増えています。従って、中小企業融資を続けながら、これから新しい
パートナーを探し、今は手術室から出てリハビリ中で、なんとか捕まりながら
歩いている状態ですから、これからきちっとパートナーを見つけながら新しい
展開をしていこうと思っています。

●記者● エネルギー政策、原発の是非は。

〇猪瀬〇 福島から900万キロワットの電気が来ていない。新潟の柏崎刈羽
からも800万キロワットの電力がきていません。すでにもう、東
京は脱原発の状態になっているのです。じゃあどうするか。その提案をしな
ければいけない。失われた1700万キロワットに対して、東京湾に35年から40年
の老朽火力発電所がフル稼働して、電力を支えています。フル稼働の老朽火力
発電所はいつかは壊れます。それをリプレース、置き換えて、そして最新鋭に
切り替える。東京電力の独占状態ではなく、新電力を含め民間資金を入れ、電
力自由化とともに電力安定供給を東京に……というよりも、全国の電力の独占
体制に対し、新しい自由化を迫る。それがカギだと思います。もちろん、八丈
島で地熱、三宅島でメガソーラーも、民間資金ではじめようとしています。

●記者● 新知事になってまっさきにやることは。

〇猪瀬〇 もういろいろやっていますよ。3.11のときに、みなさんに情報がな
かなか届かなかった。だから都庁の広報に、ツイッターを導入した。
都交通局も、環境局も、スポーツ振興局も、ツイッターを作った。つまり、各
局が全部、すぐ情報発信できるような、新しいSNSというメディアを積極活
用し、直接都民にかたりかける、ふつうの役所とちょっと違う味の東京都にし
ていきたいと思います。

選挙は初めてでしたが、好奇心がありますので毎日楽しく、選挙を戦いまし
た。特にボランティアの力は大きかったです。途中でくたびれなかったかと言
われましたが、選挙期間中にも50キロくらい走っています。ここに来る前にも
2キロ走りました。まずは体力です。

僕は情熱というのは、感情の情熱と意志の情熱があると思っている。僕は意
志の情熱で仕事をしている。だからぶれることはありません。

いまどうしたらいいのか。国政は混迷し、新しい国会議員が選ばれているが、
霞が関はそう簡単に制御できません。これは日本の近代の歴史が物語っていま
す。ですから、改革は意志の情熱でなければ続きません。そしてもちろん、東
京から国を変えるということと、都民の安心安全を守るということはまったく
同じことなんです。都議会の皆さんとこれから一緒に話し合い、ご協力いただ
き、こちらからもいろいろとお願いにあがりますのでよろしくお願いいたしま
す。

この選挙でボランティアをやった方もいらっしゃると思うが、その力をまた
別のところで生かしてください。まだまだ東北の復興は遅れています。東京都
からも職員を派遣していますが、それでもまだまだ回復の見通しが見えている
とはいえません。ぜひ被災地にお出かけになり、そこでできることを被災者の
方と話し合いながら考えていただきたい。あの第二次世界大戦で日本人は30
0万人が亡くなりましたが、東日本大震災では2万人近い人が亡くなったり、
不明になったりしました。六十数年ぶりの国難です。国難という言葉を真正面
から受け止めて生きていくということだと思います。

僕の年代以下の人たちは、国家とか政治とかにシニカルになりすぎる感があ
ると思いますが、いまの若い人たちにもっと戦後の歴史を伝えてください。若
い人たちは歴史をまったく知りません。ですから、教育改革を含めて課題はた
くさんあります。(若い人たちは)当たり前の年表を知らないで社会に出てい
ます。他国ではみんな自分の歴史を教えている。歴史というのは時間軸です。
日本列島というのは空間です。この日本列島というきわめて四季が明確なこの
空間で我われがひとつの文化を共有し、その文化を共有することで、日本国民
であることをもう一度考え直しながら、歴史を勉強し、東日本大震災の被災者
のことを常に思い、そして日本の心臓としての東京の役割を果たしたい。

そして、東京では高齢者が増えていて、若い人たちは仕事が見つからない状
態にあります。例えばハローワークを国から奪い取って雇用の場を作り、東京
を強くしていきたい。みなさんとともに、ひとりひとりが輝く都市にしていき
たいと思っています。この東京で、自分の持っているすべての力を投入しなけ
ればいけないんだという覚悟を、改めてこの場で強く感じているところです。



「日本国の研究」事務局 info@inose.gr.jp


猪瀬直樹の新着情報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■掲載情報

・1月5日発行『潮』2月号に特別インタビューが掲載されます。

・1月10日発行『文藝春秋』2月号の「この人の月刊日記」に寄稿します。

・1月10日発行『Voice』2月号に特別インタビューが掲載されます。

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東京の地下鉄は2つの事業体によって運営されている。
そのためとんでもない不便を強いられているのは
利用者なのである……

改革のためには通勤苦の現状をよしとする
既得権益者との戦いが必要であり、
利用者自身もいまどんな不合理にさらされているか、
よく知らなければならない

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大震災後、東京都を陣頭指揮する副知事の思考と行動20カ条

首都直下型地震への取り組みとは何か

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「いざ」というとき、立ち止まるな!
走りながら考えろ。

ソーシャルネットワークを使った情報収集・発信・即断即決→事後承認、
見えない恐怖を可視化する、先を見通してリスクの芽を摘む、昨日を基準
に今日を生きない……。大震災後、東京都を陣頭指揮するリーダーが、
首都直下型地震対策として自ら実践しているノウハウを、ビジネスマン
向けにアレンジして紹介!   

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□■『東條英機 処刑の日 』■□
〔アメリカが天皇明仁に刻んだ「死の暗号」〕
(文春文庫 税込630円)     

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猪瀬直樹氏は、
子爵夫人の日記に残された謎を解き明かしながら、
アメリカが日本に仕掛けた
対日占領政策の大きな構図を浮かび上がらせていく。
それによって、現代の日本と占領期の日本との間に漂う
霧のような薄闇を払っていくのである。

梯久美子(「解説」より)

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□■『昭和16年夏の敗戦』 □■
(中公文庫 税込680円)

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1983年に世界文化社から刊行され、文春文庫になり、『猪瀬直樹著作集』に
入り、ロングセラーとして版を重ね昨年6月に中公文庫に収録された作品です。

巻末には勝間和代さんとの特別対談「日米開戦に見る日本人の『決める力』」
が収録されました。

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□■『天皇の影法師』■□

(中公文庫 税込700円)

天皇崩御そして代替わり。その時何が起こるのか。
天皇という日本独自のシステムを〈元号〉を突破口に徹底考証。
処女作が待望の復刊です。   

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「天皇は実在するが、また同時に人びとの意識の底にとり憑いた幻想のひとつ
でもある。曲がりくねった鏡張りの回廊を歩くときに歪んだ自分の姿が無数に
映るばかりで天皇の影は見当たらない」(「あとがき」より)

巻末には作家・批評家の東浩紀氏との特別対談「今、ここにある皇室の危機」
が収録されました。

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大増刷出来!

□■『言葉の力――「作家の視点」で国をつくる 』■□
(中公新書 税込777円)

「東京都副知事で作家の言葉論。ツイッターで文章力を鍛えるには口語体では
なく文章語で書くことだと説く。読書は『10ページ読書』を勧める。それだけ
で頭の中に検索のキーワードができ上がると言う。また、小泉純一郎は<俳句
のように凝縮した1行の力強さがある>が、菅直人は<ページに言葉が埋まっ
ているだけ>といった分析等も興味深い」(読売新聞 8月14日付)

作家として、東京都副知事として進める「言語力再生」。
サッカー界にも導入された「言語技術」やツイッターやフェイスブックなど
のソーシャル・ネットワークのほか、三島や太宰の文体にいたるまで、グロー
バル時代に不可欠なコミュニケーション力の目的・手段を独自の視点で解説。

第一部 「言語技術とは何か」
第二部 「霞が関文学、永田町文学を解体せよ」
第三部 「未来型読書論」

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□■『突破する力』■□
(青春出版社 税込800円)

7刷出来!

道路公団民営化をはじめ、作家として、東京都の副知事として、
さまざまな世間の“壁”を突き破ってきた著者が、
自らの体験を踏まえて綴る、人生を面白くする
本気の仕事&生き方論。

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○編集 猪瀬直樹
○Copyright (C) 猪瀬直樹事務所 2001-2012
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